得られる情報による温度差が大きすぎます。
これは放射線に関する経験がレアである事情から
「本当に良く知っている人が少ない」こと,そして海外には多少情報があるのであろうが
「外国語が分からないから我々がすぐ利用できない」という2つの悲しい状況で最適な情報が中々入ってこないのだと私は推察します。
例えば,数時間前に検出されたというプルトニウム(238,239,240?)の人体に対する危険性について,普通の放射性物質と同じ考えで良いという記述もあれば(例えば,
武田邦彦さん),プルトニウムは史上最悪の毒性(例えば,
小出裕章さん)という記述もあります。
素人なりに理解したところは以下のようになります。
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まず化学的な毒性は他の重金属の毒性に準ずるものらしく,他に比べて特別大きいものではない。問題はプルトニウムの発する放射線についてであって,特にアルファ線(ヘリウム原子核)が問題であること。
アルファ線はほんの短い距離しか飛ばないから外部被爆は無視できるが,
微細粒子を体内に取り込むとごく近くの細胞に集中的に放射エネルギーが集中し,これがとても問題になる(内部被曝というが,どうも今の報道はこの内部被曝についての考察が極めて少ない印象をうける)。
ここで基本知識(1):
物理的に受ける放射線の単位はグレイであるが(J/kg),生物学的(=人間)に被爆する量は出てくる放射線を人体がどの程度吸収するかによる換算が必要で,それを考慮した単位がシーベルト(線量当量)である。ふつうガンマ線の場合は,1グレイ=1シーベルトとするが,アルファ線の場合は1グレイ=20シーベルト,つまりアルファ線はガンマ線の20倍も人体に大きな負荷を与えるということである。
経口でプルトニウムの微細粒子が胃や腸に入ると,その近傍にある体内の細胞はアルファ線の影響を受けるが,プルトニウムの微細粒子は比較的早く体外に排出されるらしい。極一部(0.05%)は吸収され,骨と肝臓に貯まり長い間に渡って近傍の細胞に集中的な放射線を発する。これはマズイ。
基本知識(2):
放射性物質は放射線(アルファ,ベータ,ガンマ線,中性子線)を放出して崩壊する。半減期がすごく長いということはその物質がなかなか消え去らないということだが,単位時間あたりに放射する放射線の量は少ない。逆に半減期が短いということは,その物質が早く消え去る代わりに,放射線の単位時間の放射量は強いということになる。
アルファ線を放出する核種は半減期が異様に長いものが多い。ウランは数億年,トリウムは100億年。ところがプルトニウム239はそれに比べると24100年と短い(2万年なんて長いと思っていたが,他のアルファ線を出すものに比べると短いというのだ!)
短いということは,それだけアルファ線を単位時間あたりに沢山放出するということであり,これを考慮した
比放射能は桁違いに跳ね上がる(詳細は上のリンクの小出先生の文章を参照)。また物質量は少ないが,原子炉から出るプルトニウムには238というのもあり,それの半減期はさらに短く比放射能はプルトニウム239の10倍になるという。
今までのことを一言でまとめると,
プルトニウムはアルファ線を出し,それが放射するエネルギーは極めて大きく,身体に取り込まれた場合は近傍の細胞に集中的に放射線を与えるということである。問題は身体に取り込まれた微細粒子が肺に入った場合だ。その評価をどうするかで見解が分かれるようである。つまり肺全体が放射線を受けるとして考えるか,肺の極近傍の細胞にのみ放射線を受けると考えるかである。肺全体が受けると考えると,その放射線の影響は驚くほどではない(プルトニウムは他の放射線物質と同じようだという意見はここから来ると思われます)。
しかし,近傍の細胞のみが受けると考えると,これによって受ける放射線の量の評価は10桁近くの違い(二十数億倍)が生じる(これが人類が遭遇した最悪の毒性の根拠と言われる所以)。
今までの流れで行けば,肺に張り付いたプルトニウムの微細粒子のごく近傍の細胞にしかアルファ線が当たらないと考えるのが妥当な気がする。そうなるととてつもなく危険だというのが小出先生の主張のようだ。
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おそらく実際のデータはほとんど無いのでしょう。だから誰もよく分かっていないのではないかと素人は推察します(いや,米軍なんかは実験済みかな)。
CASやPubMedなどで調べればもっと分かるのでしょう。でもそのリテラシーが無い(**; よく分かっていない以上,上に書かれているようなことが起こる可能性も考えて注意しないといけません。基本です。
プルトニウムは重たい物質です。福島の原発の事故でどの程度細かくなったのでしょうか。その粒子の大きさによってどこまで飛散するかある程度計算できるはずです。そういう情報を早く知らせて欲しいのです。おそらくSPEEDIがとっくに計算しているはずです。
追記:独立行政法人JAEA核燃料サイクル工学研究所の
プルトニウムに関する資料 推進する立場の文章だから危険性については積極的に書かれていないのかと思う。実際はどうなのか私にはわからん。